|
|
|
|
|
|
|
|
|
◎10:40 - 11:10 「無意識をあやつる脳」 |
|
|
|
|
関 和彦 (せき かずひこ)
(国立精神・神経医療研究センター神経研究所 部長) |
|
|
|
|
|
|
◎11:10 - 11:40 「妬みと他人の不幸は蜜の味の脳科学」 |
|
|
|
|
高橋 英彦 (たかはし ひでひこ)
(京都大学大学院 医学研究科 講師) |
|
【講演要旨】
情動・意思決定・意識など従来どちらかというと心理学・経済学、哲学の研究者のテーマが脳科学のテーマとなり、神経経済学、神経倫理学、神経哲学などの新たな研究領域が新興しています。こうした中で、私たちも複雑な情動や意思決定の脳内メカニズムを検討することを行ってきました。
今回は、その一環として複雑な感情でこころの痛みとも呼ばれる妬みやそれに伴う他人の不幸を喜ぶ感情(他人の不幸は蜜の味)の脳内メカニズムを中心にお話ししたいと思います。今後、こうして明らかになった所見をもとに、こころの痛みや不調を伴う精神医学的な病気の客観的な診断の開発に役立てるとともに、こうした脳情報を制御して新たな精神科の治療に結びつけていきたいと考えています。 |
|
|
【講演者プロフィール】 |
|
|
|
2006年 |
(独)放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 主任研究員 |
|
2008年 |
(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
さきがけ「脳情報の解読と制御」研究者 兼任 |
|
|
|
|
【受賞歴】 |
|
|
2006年 |
財団法人長寿科学振興財団 奨励賞 など |
|
|
【研究分野】
精神医学、認知神経科学、脳画像研究
研究室URL http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/ ̄psychiat/ |
|
|
|
|
|
|
◎11:40 - 12:10 「以心伝心を科学する」 |
|
|
|
|
駒井 章治 (こまい しょうじ)
(奈良先端科学技術大学院大学 准教授) |
|
|
|
|
|
|
|
|
◎13:20 - 14:00 「脳科学とアウトリーチ」 |
|
|
|
|
瀬名 秀明 (せな ひであき)
(作家) |
|
【講演要旨】
「脳科学とアウトリーチ」という講演タイトルは主催者からいただきました。私はアウトリーチ活動の専門家ではありませんし、脳科学の専門家でもありません。この講演ではいわゆる脳科学神話(neuro myth)と呼ばれる問題についてあれこれ苦言を呈するつもりもありません。(ただし脳科学神話を恐れながらそれとうまく共生して
世間の関心をつなぎとめ、日々の研究費を稼がなければならない科学コミュニティの複雑な現状にはちょっと興味がありますが。)
私は作家なので、この講演では私が読んでおもしろいと思った脳科学の書籍の話をします。一見、脳科学とはなんの関係もなさそうな本の中に、脳科学の本当のおもしろさが隠れていることもあります。そんな意外な脳科学を会場の皆様といっしょに発見できたら、と思っています。 |
|
|
【講演者プロフィール】 |
|
1995年 |
『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞受賞 |
|
1998年 |
『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞受賞 |
|
その他『デカルトの密室』『エヴリブレス』『ロボット・オペラ』『大空の夢と大地の旅』『インフルエンザ21世紀』など、小説・科学ノンフィクションの著作多数
2008年から2010年まで朝日新聞書評委員 |
|
ホームページ http://www.senahideaki.com/ |
|
|
|
|
|
|
◎14:00 - 14:40 「前頭葉の科学と非科学」 |
|
|
|
|
坂井 克之 (さかい かつゆき)
(東京大学大学院医学系研究科 准教授) |
|
|
|
|
|
|
◎14:50 - 15:30 「脳のエネルギー消費」 |
|
|
|
|
柳田 敏雄 (やなぎだ としお)
(大阪大学大学院生命機能研究科 特任教授) |
|
【講演要旨】
脳は“大食漢”だと言われています。確かに、他の臓器に比べて脳は10倍ものエネルギーを消費します。では、コンピュータと比べるとどうでしょう。休んでいる時の人間の脳の消費エネルギーは20ワットです。さらに、ものを考えるとどれだけ消費エネルギーが増えるかMRIという装置で脳の中の温度を測定して見積もってみました。驚くことに、たった“1ワット”しか使っていませんでした。“なぜ世界第1位でなくてはいけないのか?”で有名になった神戸のスーパーコンピュータの消費電力は3千万ワットで、淡路島全世帯の消費電力に相当します。3千万倍のエネルギーを使っても、コンピュータは脳のほんの一部の働きしかまねできません。逆に、脳をコンピュータとみたててデジタル的に働かせるとどれくらいのエネルギーが必要か見積もってみると、なんと原子力発電機が何億台あっても足りないと言う計算になりました。脳は“大食漢”どころか“超超省エネ機械”だったのです。
なぜ、脳は省エネなのか。最近この問題に答えが見えてきました。キーワードは“ノイズ”です。コンピュ−タは膨大なエネルギーを使ってノイズを遮断し、正確に厳密に働いています。一方、脳はノイズを遮断せずそれを有効利用することで省エネを実現しているらしいことが解ってきました。また、厳密でなくノイズを使って“いい加減”に働く方が複雑なシステムを安全に巧くコントロールできることも解ってきました。講演では、脳の巧妙な仕組みと、その仕組みを使ったロボットなど超省エネ複雑機械の実現の可能性を議論します。 |
|
|
【講演者プロフィール】
大阪大学基礎工学部生物工学科教務員、同大学基礎工学部生物工学科助教授、同大学基礎工学部生物工学科教授、同大学医学部第一生理学教授、同大学院生命機能研究科研究科長、同大学院命機能研究科教授を経て、現在同大学院命機能研究科特任教授。 |
1992年 |
科学技術振興事業団創造科学技術推進事業「柳田生体運動子プロジェクト」「1分子過程プロジェクト」総括責任者 |
|
1998年〜 |
通信総合研究所情報通信ブレークスルー基礎研究21柳田結集型プロジェクト総括責任者 |
|
2002年〜 |
科学技術振興機構研究領域「ソフトナノマシン等の高次機能構造体の構築と利用」における研究課題「ゆらぎと生体システムのやわらかさをモデルとするソフトナノマシン」研究代表者 |
|
2008年〜 |
(独)情報通信研究機構 プログラムコーディネーター |
|
2009年〜 |
(独)理化学研究所 特任顧問を兼任。
専門分野は生物物理学。主な研究テーマは生体分子の1分子計測・生体分子機械の動作原理・脳記憶のダイナミズムに関する研究など。 |
|
|
【受賞暦】 |
|
|
1992年 |
Matsubara Lecture Award |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|